月刊・京の舞妓さん 8月号【2】/2012年 - 舞妓倶楽部
そしてもうひとつ。花街の夏の催しとして忘れてはならないのが、上七軒歌舞練場の日本庭園で行われるビアガーデンです。 お座敷に出る時の“お引きずり”ではなく、いわゆるお着物をお召しの“そんなり”姿の芸舞妓さんが毎日六名ずついらして 代わるがわる...
Updated Date : 2017-09-14 15:42:36
Author ✎ maikoclub
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上七軒ビアガーデン
そしてもうひとつ。花街の夏の催しとして忘れてはならないのが、上七軒歌舞練場の日本庭園で行われるビアガーデンです。 お座敷に出る時の“お引きずり”ではなく、いわゆるお着物をお召しの“そんなり”姿の芸舞妓さんが毎日六名ずついらして 代わるがわるおもてなししてくださいます。 ノーベル賞作家・川端康成の「古都」にも登場する京都最古の花街・上七軒は、 2009年11月に『京都市歴史的風致維持向上計画』の認定を受けてから現在にわたって、無電柱化と石畳の計画工事が行われています。 歌舞練場から徒歩数分の距離にある北野天満宮はもちろんのこと、この夏にしか拝むことのできない変わりゆく街並みも必見です。
8月の花街
●1日(水) 八朔 《五花街》 (祗園甲部・祇園東・宮川町・先斗町・上七軒) ●5日(日) 舞妓の日 《平安神宮前・神宮道商店街》 ●~9月5日(水)まで 上七軒ビアガーデン 《上七軒歌舞練場》
8月の京都
●6日(月) 夏越神事  《下鴨神社》 ●7日(火)~10日(日)   六道まいり      《六道珍皇寺》 若宮八幡宮大祭   《若宮八幡》 ●9日(木)~16日(木) 清水寺千日詣・宵まいり  《清水寺》 ●16日(木) 京都五山送り火    《京都市内各所》 嵐山灯篭流し     《嵐山中ノ島公園、渡月橋》 ●23日(木)~25日(土) 愛宕古道街道灯し  《愛宕神社一の鳥居~祇王寺間の旧愛宕街道》 ●~9月23日(日)  宇治川の鵜飼    《宇治川・塔の島の喜撰橋周辺》 ●~31日(金)    嵐山の鵜飼  《京都市西京区嵐山・渡月橋》 ●~9月30日(日) 鴨川納涼床 《京都市・二条通から五条通の間の鴨川西岸一帯》
8月のコラム
八朔の日。群を抜いて華やかな花街は、やはりなんといっても、黒紋付姿の芸舞妓さんが行き交う祗園甲部です。 新門前の井上流五世家元・五代目井上八千代先生のお家を最初に、普段からお世話になっているお茶屋さん、 芸事のお師匠さん、お料理屋さんなどを一軒ずつご挨拶して廻られます。 ていねいに、気持ちを込めて。それでいてひとつの場所からまた別のところへと向かうあいだは、颯爽とした立ち居振る舞いで…。 芸舞妓さんたちを追いかけている中で感じたことですが、その行為は、あらゆることへの効率化が良しとされる現代社会に対する静かな問いかけのようにもみえました。 第一正装の黒紋付をお召しになるこの日が、花街で生きる彼女たちにとってどれだけ重要な一日であるかということは、 冒頭の【8月の舞妓さん】でもお伝えしたとおりですが、帯もまた特別で、通常の“染め帯”ではなく、金糸を使った“織り帯”を締め、ポッチリ(帯留め)や帯締めはつけません。 髪型も、普段とはまったく違う結い方をされます。普段、髷の下部に銀箔の押された赤いちりめんを留める“おふく”を結っている年長の舞妓さんは、 髷の根を高く結い、根元に鹿の子を巻き、髷の中央には翡翠と珊瑚の髪飾りを付ける“奴島田(やっこしまだ)”に結います。 “高島田”とも呼ばれるこの髪型は、日本髪の代表格“島田”の中で最も格調高いものとされており、 古くは武家の女性や、町方でもあらたまった機会に結われていました。加えて、白塗りした襟足ですがこちらは通常の“二本足”ではなく、三本の細長いV字型を塗り残す“三本足”で臨まれます。
Photos:Copyright(c)2012 Maiko Club All Rights Reserved Special Thanks to: WALKKYOTO(一部画像提供)http://walkkyoto.exblog.jp/i30/
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