月刊・京の舞妓さん 9月号【1】/2012年 - 舞妓倶楽部
9月の五花街には、秋の夜長に似てどこかゆったりとした時間が流れています。4月の“北野を どり”、“都をどり”に“京おどり”。 5月の“鴨川をどり”、6月の“都の賑い”、7月の“花傘巡行”、 そして8月の“八朔”…。 怒涛のような多忙さで一年の約半分を駆け...
Updated Date : 2017-09-14 15:44:15
Author ✎ maikoclub
この記事のシェアをお願いします。☺

9月の舞妓さん
9月の五花街には、秋の夜長に似てどこかゆったりとした時間が流れています。4月の“北野を どり”、“都をどり”に“京おどり”。 5月の“鴨川をどり”、6月の“都の賑い”、7月の“花傘巡行”、 そして8月の“八朔”…。 怒涛のような多忙さで一年の約半分を駆け抜けてきた舞妓さんですが、9月の花街では特に 大きな行事がないため、傍からみるとちょっとここらで休憩どきなのかなあとも思ってしまいがち。 しかし実はこの時期、言うなれば、嵐の前の静けさなのです。舞妓さんたちはみな、10月に各 花街で開催される“秋のおどり”のお稽古に 大忙しの毎日を過ごされているのですね。先日、 上七軒舞妓の梅やえさんはこんな風におっしゃっていました。 『舞のお稽古どすか?時期によってまちまちどすけど、忙しいときは      外がまだ薄暗い時分にタクシーに乗って、先生のところに向かうこともあるんどす』 早朝ならぬ夜明け前から舞のお稽古…というのですから、いやはや驚きです。しかも午後には 通常どおり、お座敷に上がる支度をされて、夕方から夜中まではお仕事…。暑さもようやく和ら いだ初秋も、月や星を賞でるお暇(おいとま)もなく、舞妓さんはひたむきに勤しんでいらっしゃ るのです。 そんな最中、先日22日に行われた千両ヶ辻伝統文化祭。 先の梅やえさんと共に、この10月 2日にお店だしされる梅ちえさんが参加されました。
千両ヶ辻は言わずと知れた西陣織の密集地。 「一日に千両の商があった」と江戸時代にいわれたことから、この名で呼ばれるようになった といわれています。今年で10回めとなるこの祭事では、千両ヶ辻界隈の景観建造物や町家 が一般公開され、 創業270年の老舗や染色作品の紹介、また、ふだん見ることのできない 貴重な古文書なども展示されました。 梅やえさんと梅ちえさんが参加されたのは、お祭りのメインイベントのひとつであるお茶会 です。梅やえさんのお衣装は、万華鏡のレンズの向こうを彷彿させるような藍色を基調にし た色とりどりの単衣袷(ひとえあわせ)に絽(ろ)の帯、艶やかな黒髪には桔梗のかんざし が飾られています。
一方、舞妓さんデビューまであと数日、「見習いさん」の梅ちえさんは、いわゆる“だらりの帯” の半分の長さの“半だらり”に、若い舞妓さんが結う「割れしのぶ」に出たての舞妓さんのかん ざしを付けられています。紅を塗るのは下唇だけで、正式にデビューされたあとも一年くらいは このお化粧をされるのだそうです。 初々しいお姿の梅ちえさんをきびしくもどこか温かい眼差しで見守る梅やえさんお姉さん。 10月8日より5日間、上七軒歌舞練場で行われる第63回寿会では、長唄の「菊づくし」で舞 われます。
9月の簪(かんざし)
毎月、四季の移ろいを如実に映し出す舞妓さんの簪。 9月(長月)のモチーフは秋の七草のひとつでもある“桔梗”です。 まだ夏の名残りを感じるこの時期、紫色を基調にした大小の花びらが涼しげな秋の到来を予感させてくれます。
今月の花街
9月の舞妓さんイベント参加情報
●みやこめっせ 毎週日曜日3回公演(各15分) 1部 14:00~  2部 14:30~ 3部 15:00~ ●高瀬川 舟まつり  9月22日(土)10:30~16:00 ●櫛まつり  9月26日(月) 12:30~ ※時代風俗行列 出発 14:00頃~
今月の京都
●1日(土)~2日(日) 1日 六斎念仏踊り一般公開  嵯峨野六斎念仏保存会(芸能六斎) 2日 女神輿巡行 8時30分~ 出発  祭典10時~ ●8日(土)17時~20時頃 御香宮神能  ●9日(日)10時~ 重陽神事と烏相撲  ●15日(土)~17日(月・祝) 14時~ 観音加持会  ●21日(金) 16時~ (雨天時は金剛能楽堂にて開演) 上京薪能  ※一部と二部に分かれ、舞囃子、仕舞、琴、能、狂言などが演じられます。 ●21日(金) 9時~15時  お砂踏み  ●21日(金)19時~ 晴明祭  ●28日(金)~30日(日) 大覚寺 観月の夕べ  ●29日(土)~10月7日(日)  御香宮神幸祭  ●30日(日)  下鴨神社 名劇管絃祭 17:30~21:00 ●30日(日) 19時頃~ 予定  祇園社観月祭 
Photos:Copyright(c)2012 Maiko Club All Rights Reserved Special Thanks to: WALKKYOTO(一部画像提供)http://walkkyoto.exblog.jp/i30/
この記事のシェアをお願いします。☺


関連記事

舞妓さんの舞とジャズを楽しむ 『百千足館・能舞台』
【プレスリリース】『舞妓さんの舞とジャズナイト』を 京都・能舞台にて11/9開催
永観堂の見学から~  『永観堂 禅林寺』
曲水の宴  『城南宮』
珍しいスタイルの本屋さん  『こもれび書店』