「三柱鳥居」の不思議~その意味するものは何か『蚕の社』
石造りの三柱鳥居(みはしらのとりい)が太秦の「蚕の社」の境内の池に立っている。三方のどれもが正面であり、上からは三角形に見えるという珍しい鳥居。この鳥居が何故三面なのかは謎のままである。南禅寺の大寧軒の庭にも模したものがある。一説には松尾大社・伏見稲荷大社・双ヶ丘の遥拝所とも言われるが(本文へ続く~
Updated Date : 2021-11-03 08:11:02
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いずれも秦氏にゆかりが深い。松尾大社は秦忌寸都理(はたのいみきとり))が造営し、伏見稲荷大社は秦伊呂具(はたのいろぐ)が稲荷山の三ヶ峯に三柱を創祀し、双ヶ丘には秦氏の古墳がある。また松尾山に対峙して比叡山の四明ヶ岳が松尾山と同じ大山昨神を祀り、稲荷山に対峙して愛宕山を拝することができるというもの(節分の四方参りを思わせる)。
ここで作家・加納進氏が提示された絵画の中に興味深いものがある。一つの考え方としてご紹介したい。写真(中段)の絵画の右上方には三柱鳥居によく似た形が描かれている。柱に鶏がとまって居れば、鳥居の語源にも通じそうだが・・(天照大神が天岩戸に籠った時に誘いだすために神々が鳴かせた、常世長鳴鶏の止まり木の故事)。ところで絵画をベースにして三柱鳥居=絞首台というドラスティックな発想は意外性に富んで面白い。ともあれ「三柱鳥居」の真に意味するものは、まだミラクルである。知見の方がおられたらご教示願いたい。
蚕ノ社の境内の元糺の池の中に建つ三柱鳥居(みはしらとりい)
三面鳥居(みおもてとりい)、三つ鳥居(みつとりい)とも表記されるが、三つ鳥居と三柱鳥居とは異なる。なお北斎の漫画にも木造の三柱鳥居が描かれている。奈良の大神神社の鳥居は「三つ鳥居」であり、すぐ近くにある大神教会にあるのが「三柱鳥居」である。後者の説明には「宇宙の元霊神の三つの神理に参入する特殊な鳥居で、古事記の冒頭に天地の初發の時、高天原に成り坐せる神の名は天之御中主神、次に高御産巣日神、次に神産巣日神と書かれ、此の三柱の神は造化の三神とたたえる大神であり此の神格の三位一体の深渕なる神理・・云々」とある。
OpenMatome
西欧の絵画「死の勝利」
絵画はルネッサンス期フランドル地方の画家ピーター・ブリューゲルの作。14世紀にヨーロッパを席捲したペストの大流行が人々の死生観に影響を与え、キリスト教美術の教訓画としてこの様式が普及した。
*絵の右上は「斬首される男」が描かれ、その左には「絞首台」があり三柱鳥居に似た柱に吊り下げられた人物が描かれている。
*写真は拡大してご覧ください。
OpenMatome
法衣を身につけた猫がぶら下げられている。
中段の写真とは別の絵画だが、こちらの方が「三柱鳥居」に似た形状が良くわかる。
OpenMatome
蚕の社
35.0119357
135.7129565
0
0
0
17
35.0119357,135.7129565,0,0,0
大神神社
蚕の社→三柱鳥居
大神教会→三柱鳥居
大神神社→三つ鳥居
34.5287534
135.85175744659583
0
0
0
17
34.5287534,135.85175744659583,0,0,0
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