5/100 ~現代舞妓物語全ての100分の5 ~(2) - 舞妓倶楽部
舞妓はんには、みんな「芸名」がある。
基本的には置屋さん(プロダクションみたいなもの)の、お姉さんから一文字もらい、後ろに自分独自の名前をつけてもらう。
Updated Date : 2017-08-04 16:34:12
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舞妓はんには、みんな「芸名」がある。
基本的には置屋さん(プロダクションみたいなもの)の、お姉さんから一文字もらい、後ろに自分独自の名前をつけてもらう。
このお店の場合、店名が「梅乃」なので、
みんな「梅+なんたら」という名前が付く、みたいな感じ。
つまり、「翔太」が「翔細」とか「翔痩」みたいな感じで下の子に一字継承されていくというわけ。
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夜になるとこんな感じ。
この雰囲気は、いかにも一見さんお断り。
っていうか、ぱっと見てここに入ろうと思う人はまずいないでしょ。
分かりやすい、目立つ看板なんて野暮なものは出さないところが京風の花街商売なのだ。
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政治家とか、偉い人が使うよねそりゃ。
完全におしのび向き。素人さんが歩いても相手にされない雰囲気ばりばり。
排他的であることは、ある意味価値がある。
選民思想的と言われればそれまでだけど、「一見さんを断る」からこそ、守れる文化も、価値も、そこに集う人々もあるわけだ。
このコミュニティ全体が、その価値基準を守り、継承してきたからこそ現代でもお座敷は特別かつ極上のおもてなし空間として機能しているのだろう。
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ご満悦しまくり、顔がおかしい和佐大輔。
新幹線で一緒に三宮(神戸)まで戻る。
明日は一緒にセミナーなのだ
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あまりに愉しくて、弟の3倍くらい顔面崩壊中の兄であった。
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編集後記
5/100 というタイトル。これには意味がある。
いや、たいした意味ではないのだけれども。
舞妓は現代に約100 人ちょっとしかいない。
その中で、今回の旅で5 人の現役舞妓さんと出逢うことができた。
そんなわけで5/100 とつけてみた。
一人一人が京の伝統お座敷文化を継承する、生きる京文化そのもののような存在だ。
若くして、親元を離れ、年に2 回しか実家に戻ることを許されない中で、徹底して封建的な徒弟制度を通じて一流の芸妓へと鍛え上げられる。
「自由」だ「個性」だと、個人自由主義的な価値観が時代の主流派を成す現代において、
彼女たちの生き様は、その対局を取るものだ。しかし、それがなぜかもの凄く潔く感じるのは私だけだろうか。
多くの現代日本人が失ってしまったものを、彼女たちの中に見たような気がした。
確かにかつての、或いは僕たちがその名前を聞いたときに典型的に連想する「舞妓はん」像と比べると、多くの仕組みが現代化されつつあり、「こんなのもアリなんだ!」と驚くような場面もあった。そのように、現代のお座敷文化は、時代の流れと共に、緩やかに変化を続けていることも確認できた反面、それでもなお、変わらぬ彼女たちの凛とした「生き様」から学ぶモノは大きい。
僕らが日常の中で、あくせくとしている今日も彼女たちは相も変わらずお座敷で舞い続けているのだろう。今日もやってくるお客様と一夜一夜に思いを乗せて交差する人生。
その一瞬に、華を纏わせ、舞続けて。
5/100
~現代舞妓物語の全ての100分の5 くらい~
執筆:原田翔太
発行:株式会社ユナイテッドリンクスジャパン
発行日:2011年6月3日
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