世界における「タキイ種苗株式会社」と「株式会社サカタのタネ」の業績分析
・ヒット商品
タキイ種苗株式会社「桃太郎トマト」一時は80%以上タキイのタネ!
株式会社サカタのタネ「プリンスメロン」100%サカタのタネ!、全世界ではブロッコリーが50~60%のシェア。
Updated Date : 2017-09-12 04:49:18
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タキイ種苗株式会社
桃太郎トマト:8割以上が桃太郎となるほどの人気を集めた!
1985年桃太郎トマトを発表。12年をかけて開発された。
品種改良を重ね、完熟出荷を可能にすることにより、おいしいトマトを食卓に届けることができた。
一時は8割以上が桃太郎となるほどの人気を集めた。
桃太郎トマト:こだわり完熟 進化中
2006年:桃太郎トマトは国内で栽培される大玉トマトのシェア(市場占有率)6割以上という圧倒的なトップ商品。
同業他社は市場に食い込もうと、黄化葉巻病ウイルスに強い海外産の品種で攻勢をかけてきた。
2012年熊本はシェアが約3割に半減。
2014年黄化葉巻病ウイルスに強い「桃太郎ピース」を発売。
2016年シェア首位に返り咲き。
タキイ種苗株式会社 海外:14拠点
創業:天保6年(1835年)
創立:大正9年5月19日(1920年)
代表者:代表取締役社長 瀧井傳一
資本金:2億円
売上高:510億円(平成28年4月期)
経常利益:75億円(平成28年4月期)
従業員数:749名
本社:〒600-8686 京都市下京区梅小路通猪熊東入
TEL:(075)365-0123(大代表)
・瀧井家の出自は静岡の武士で、近江から京都へと移り住んだ。
・5代目の瀧井傅一は「種屋にとって京都は格好の条件に恵まれていたと言えます。優良な品種のタネがあるだけではなく、種は軽いので、神社仏閣詣でなどで訪れた人々が土産に買求め全国に広がり、また逆に、地方からも良い種が集まってきました。かつては自宅に地方の業者の方を泊める客間があり、そこで全国からの情報を得ていた。」と語っている。
株式会社サカタのタネ
プリンスメロン:100%サカタのタネ!
1961年 真桑瓜とシャランテの交配により誕生(一代交配種)。
1962年 販売開始。
ブロッコリー:全世界で5、6割くらいのシェア。
ほうれん草:国内の50%がサカタのタネ!
黄色と白の粒が特徴の大ヒットとうもろこしのピーターコーン:100%サカタのタネ!
種苗業界に追い風、サカタのタネが過去最高益
・2016年5月期の連結決算で純利益が37%増(前期比)の52億円と、25年ぶりに最高益を記録。
・国内は人口減少などで需要が伸び悩むが、なぜ業績が好調なのか。
日本は人口減少時代に突入したが、世界ではいまも人口は増加し続けており、野菜を含む食糧需要は拡大し続けている。
たとえばブラジルでは栽培に向かず今まで食習慣もなかったブロッコリーの消費が増えている。
また、先進国でも、健康志向の高まりなどにより、野菜の消費量や栽培量は増加傾向にある。
・なかでも注目されるのはインドだ。国民の約5割が農業従事者で、GDPの約2割を占める。国民の約6割となる約7億人がベジタリアンだと言われ、野菜を大量に消費する「野菜大国」だ。
サカタのタネを筆頭に、国内の種苗メーカーは「F1種子」を開発、販売しているが、その特徴は高品質で生産性が高い野菜の安定栽培である。この種子は長年の研究開発の成果であり、後発企業への参入障壁となる。インドではF1種子を持つ種苗メーカーは皆無といっていい。
・サカタのタネを筆頭に、国内の種苗メーカーは「F1種子」を開発、販売しているが、その特徴は高品質で生産性が高い野菜の安定栽培である。
この種子は長年の研究開発の成果であり、後発企業への参入障壁となる。
インドではF1種子を持つ種苗メーカーは皆無といっていい。
・図の出典元:
http://www.sakataseed.co.jp/corporate/ir/report/pdf/76tsushin_1.pdf
・海外卸売事業
アジア:ブロッコリー、トルコギキョウ、ヒマワリなどが伸び、前年同期比増収
北米:ブロッコリー、メロン、ホウレンソウなどの野菜種子が好調に推移
海外拠点
創業当初から世界を舞台に積極的な事業展開を行ってきた。
現在では種子を供給している国は170か国以上にのぼる。
株式会社 サカタのタネ 海外:19拠点
創業:1913年7月
設立:1942年12月
資本金:135億円
売上高:61,844百万円(平成29年5月期連結ベース)
経常利益:8,250百万円
従業員数:680名・連結2,275名(平成29年5月末現在)
本社所在地:〒224-0041 横浜市都筑区仲町台2-7-1
TEL:045-945-8800(代表)
写真:
2003年ついに究極のバラ咲きのトルコギキョウ「ロジーナ®」シリーズが誕生。
「ロジーナ®」シリーズの登場により、花弁は厚く、花首が曲がらないように茎も強健になり、花もちや輸送性が高められたことで、暑さが苦手なバラに代わり、トルコギキョウは夏場の切り花のエースに成長した。
現在では、トルコギキョウは冠婚葬祭など業務需要を中心に周年利用され、欠かせない定番の切り花になっている。
また、日本で開発されたトルコギキョウは、世界中でも多くの人々を魅了して高く評価されている。
世界の農薬業界:種苗・農薬では世界的な寡占化が進んでいる
進む種苗・農薬の寡占状況
2011年における上位3社のシェアは、種苗では約53%、農薬では約48%と、それぞれのほぼ半分を占めている。
上位10社のシェアは、種苗で約75%、農薬では94%を占めている。
BASF(ビーエーエスエフ、独: BASF SE)は、ドイツ南西部のルートヴィヒスハーフェン・アム・ラインに本社を置き、150年の歴史を持つ世界最大の総合化学メーカー。
世界的な再編が加速!
世界的な再編が加速している。
2015年12月米デュポンと米ダウ・ケミカルが経営統合を決めた。
2016年2月中国化工集団(ケムチャイナ)は農薬世界最大手シンジェンタ(スイス)の買収を発表。
2016年6月独バイエルが遺伝子組み換え種子世界最大手の米モンサントの買収を発表。
モンサント (企業) - Wikipedia
除草剤ラウンドアップを開発し、近年ではラウンドアップに耐性をもつ様々な遺伝子組み換え作物(ラウンドアップ・レディー)を育種して、セットで販売している。
なお、ラウンドアップの有効成分であるグリホサートは、すでに特許が失効しているため、『グリホ○○』といったセカンドソースが世界各国で生産され、日本にも輸入され、販売されている。
ラウンドアップ (英:Roundup) は、1970年にアメリカ企業のモンサント社が開発した除草剤(農薬の一種)。
有効成分名はグリホサートイソプロピルアミン塩。
接触した植物の全体を枯らす(茎葉)吸収移行型で、ほとんどの植物にダメージを与える非選択型。
日本での商標権(登録商標第1334582号ほか)と生産・販売権は、2002年に日本モンサントから日産化学工業へ譲渡され、保有している(ただし2013年5月現在、日本で販売されているラウンドアップはモンサントのベルギーにあるアントワープ工場で生産されたものを輸入している)。
遺伝子組み換え作物 - Wikipedia
GMO(genetically modified organism)、GM作物:遺伝子組換え作物(遺伝子組換え技術を用いた遺伝的性質の改変が行われた作物)
図:GMO生産マップ(2005年)。オレンジ色の5カ国はGMOの95%を生産している。オレンジ色の斜線の国々はGMOを生産している。オレンジの点の国々は屋外での実験が許可されている。
農薬とセリアック病→グルテンフリー市場の拡大
グリホサートの量とセリアック病の発生数の推移
モンサントの農薬グリホサートは現在、小麦など遺伝子組み換えでない作物の収穫直前に収穫を効率的に行うために使われるようになっている。
プレハーベスト散布とよばれる。
グラフは小麦のプレハーベスト散布に使われるグリホサートの量とアレルギーに関係するセリアック病の発生数の推移を合わせたグラフ。
セリアック病 - Wikipedia
セリアック病またはシリアック病(coeliac disease または celiac disease)は、小麦・大麦・ライ麦などに含まれるタンパク質の一種であるグルテンに対する免疫反応が引き金になって起こる自己免疫疾患である。
欧米での罹患率は1%程度と報告されているが、日本での頻度は不明である。第二次世界大戦中のヨーロッパでグルテン食との関連が指摘され認識が広まった。
米国、次なる成長マーケット「グルテンフリー/Gluten-Free」
米調査会社パッケージド・ファクト社によると、米国のグルテンフリー食品市場は2012年までの5年間に年平均28%成長し、2012の市場規模42億ドルと報告している。
消費者調査では成人の18%がグルテンフリー食品の購入経験ありと答えている。
2017年の市場規模は66億ドル、12年比57%増を見込んでいる。
現在アメリカでは健康志向や食品安全への関心の高まりから、オーガニックマーケットは年々拡大しており、日本円にして年間4兆円の規模になるという。モンサントはここに新たな戦略を見出している。
http://agrinasia.com/archives/2664
世界の種苗業界
種苗
世界の種苗業界:モンサントがトップ
米国資本のモンサント。
もともとは化学メーカーだったが、農薬分野へと領域を広げ、さらに環境規制の強化を受けてバイオテクノロジー企業へと変身した。
1990年代半ばには、自社の除草剤「ラウンドアップ」とその除草剤に強い抵抗力をもつGM作物「ラウンドアップ・レディー」を組み合わせて売り出すことに成功し、種苗メーカーの最大手に躍り出た。
図は、2007年10月データ
種苗シェア トップ10
売上高[百万ドル] シェア[%]
サカタ(日) 548 1.6%
タキイ(日) 548 1.6%
図は、2011年データ
世界の種苗の貿易額は、80年代後半以降、急速に拡大
・世界の種苗の貿易額は、80年代後半以降、急速に拡大し、2014年(平成26年)においては約119億USドル(約1兆2,600億円)。
・世界の種苗の市場規模は、おおむね450億ドル程度と見積られており、国別にみると、アメリカ、中国等が上位を占めている。
野菜種子
野菜種子市場:約4,000億円
●世界の種子市場
・約3兆円
・穀物種子が2兆7,400億円、野菜種子が約4,000億円、草花種子が約400億円
・日本では、米や麦といった穀物類の種苗の生産流通について国が主導してきた歴史的背景から、タキイも含む民間種苗メーカーの品種開発は野菜や花が中心となっている。
●野菜種子の市場
・日本はヨーロッパ(26%)・アジア太平洋(日本と中国を除く)(20%)に次いで17%
・国土面積が小さいにも関わらず世界市場において有数の規模
・四季の気候変化に対応し限られた耕地面積において生産効率を高めるために、様々な特性を備えた品質の高い種子の需要が大きいため
種苗の輸出入額は増加
・国内の種苗産業の市場規模:2,000億円から3,000億円程度と推計。
・種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。
・ 野菜の種子の交配の多く(約9割)が海外で行われている。
①多種多様な品目の供給が必要となる野菜の種子を安定的に生産する必要性
②一般に、作物は原産地に似た気候で育てた方が良質な種子ができること
等が大きな理由である。
野菜種子:サカタのタネはブロッコリーで高い世界シェア、タキイ種苗は東南アジアのキャベツで高いシェア
●日本メーカーのシェア
・サカタのタネ 売上210億円 5%
・タキイ種苗 売上210億円 5%
●野菜での海外シェア
◆サカタのタネ
・ブロッコリーは世界シェア約65%
・トルコギキョウは世界シェア約75%、パンジー約30%
◆タキイ種苗
・キャベツではインドネシアでシェア約70%、タイでシェア約50~60%
・観賞用ヒマワリ及びハボタンの世界シェア約70~80%
現在アメリカ国内のレタス種子の55%、トマト種子の75%、胡椒の種子の85%はモンサントが販売。
これらはGMOではない。通常の品種改良で開発された種子である。
http://agrinasia.com/archives/2664
OpenMatome
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